―素敵な陰陽師様―


















「」


「ああ」



阿部清明より仰せつかって弟子の泰明とは帝の宮に来ていた。



二人は宮に呪(まじな)いめいた物が無いか見回る役目を任されたのだ。





は陰陽師ではないが呪術の知識と腕は見上げたもので、


その事に関しては清明に勝るとも劣らないと噂されるほどである。




弟子の泰明の同伴となったのにはそういった理由であった。







が呪いを見つけ、解き、泰明が結界を張る。


その繰り返しだった。


その単純な作業ゆえ、二人の会話は「」と「ああ」の二言だった。





栄華を極める京の都は多くの生き物の恨みを買っており、数多の呪が蔓延(はびこ)っていた。



一つ一つは微力なれど放っておくわけにはいかない。







淡々と仕事をこなす二人を物珍しそうに眺める人影があった。


否、人影達。






「あれは陰陽師様かしら?」


「まぁ 素敵な方達ではありませんか」


「清明様のお弟子様かしらね」





宮に仕える女御達である。


いつもは月に一度検分に来る陰陽師は唯一人・阿倍清明だけであったが


当月は清明ではない。


まして若い美男子二人となれば女御も女官も見ずにはいられない。


女御は御簾越しに、女官は廊下で歩みを止めて二人を眺め、大好きなお喋りに花を咲かせている。





「美しい御顔立ち さらさらと風に棚引く髪が綺麗・・・無表情なところもいいわ」


「私は背の低い方のほうが好みだわ 優しそうな面持ち― あの細い指に触れられたい」


「まぁ 貴女 破廉恥ね!」





くすくすと笑う女達。






は女達の視線に気づき、見やる。




「あ、こちらを見られたわ!」


「なんと可愛らしい方vvv」


「女の方と見間違うほどね」


「でも仕事をなさる姿はとても凛々しくて素敵v」







きゃあきゃあと騒ぎ出す。




「どうした 次行くぞ」


「ああ、しかし・・・あの女達は揃いも揃って何故私達を見るのか・・・?」



泰明はが言う女御やら女官達に目をやる。


しかしすぐに向きを変え、何も言わずに歩き出した。





「あ、泰明」




慌てて追いかける。


二人は早々にその場から去ってしまった。













「ああ 行ってしまわれたわ」


「あの髪の綺麗な方、少しつれない方ねぇ」


「でもそんな無表情で冷たそうなところもいいじゃないv」


「冷冷とした目がいいわよね」



泰明に関しては意見が二つに分かれるらしい。






「後から行ってしまった方のほうが殿方としてはいいと思うわ」


「お優しそうだし、お話もしやすそうだものね」


「耳元で優しく囁かれたいわv」


「『この京が滅びようとも貴女だけは護ってみせる』とか言われたいわ!」


「縁起でもないこと言うわね」


「でも陰陽師様って素敵よね」


「あぁ あの方に護られたいv」





の評判は良い。












「またいらっしゃらないかしら」




深く溜息をつく女達であった。
























後 書 き

相反するタイプの二人の美男子がいたら
どっちがいいかっていう話で盛り上がりません?