「・・・フォルトゥーナ」 紅く染まる夕焼けを虚ろな目をして見つめる。 「やっぱり・・・この街が好き」 そっと目を閉じた。 涙が一粒 零れ落ちた 「この命尽きるまで・・・クレド 共に―」 誰でもない、自分に対する誓いだった。
ネロは焦っていた。 大聖堂での賛美歌が聞こえてくる― キリエ 大切な人。 どうしてもこの歌が終わる前に 大聖堂の長椅子に腰掛けて しっかりと歌を聞いていたという証拠を見せつけねばならない 彼女を喜ばせたい 安心させたい― しかし、目の前には邪魔ばかり 忽然と姿を現すDevil達 「 Ha!」 嘲笑するかのような笑いを上げると 長い足で蹴り飛ばしていく。 「Nero...」 一方で静かに呟く声がする。 荒々しくDevil共を蹴散らすネロの頭上をバッと横切る。 「っ、」 ハッとして見上げるネロ 紅いコートのネロとは対照的な真っ白のコートを着ている フードを深く被っていて顔は見えない。 「私が片しておくから早く行ったらいい」 「・・・どこのどいつか知らないが 俺はこのスリルを楽しんでるんだ」 好意を無視して戦い続けるネロ 「・・・」 何も言わずに白いコートの人は銃を出した。 ダダダダッという二丁銃の音が聳える建物の間で響きわたる 二人はお互いの動きを全く無視して戦う しかしお互いを傷つける事は無い ダンッと最後の一匹が倒れるとネロは白いコートの奴を見やる 銃を掲げて背を向けている姿を見てネロは一言言い放った。 「You are lucky」  ―俺の剣で切られなくて ネロは無表情のまま走り去った。 日に背を向けたままジャキッと銃をしまう。 白いコートが砂埃で少し茶色くくすんでいる パンッパンッとコートの汚れを掃う そして白い革のグローブを外すと口に銜えた。 「You too」 ポケットからワックスを取り出すと 少し乱れた髪を整えた