「サクラ、緊張し過ぎ…」 「だッて・・―///」 お風呂上がりに裸にしただけでこの様だ。 先が思いやられる、とカカシは小さく溜息をついた。 「―ごめんなさい、先生」 「何でサクラが謝るのよ」 「私みたいなのは、面倒だろうなって思って…」 「・・・」 確かに、本来自分の性分から行くと 女の子を優しく抱くようなタイプではない。 そもそも、女を愛すると言う事をした事が無い為 そういった行為も当然、相応にしかならないのだ。 自己満足―その為の行為。 そう、いつもなら。普通なら、面倒なだけなんだけど・・・ 「・・サクラ」 初めての上忍師、初めての、そしてたった一人の生徒。 「せんせっ」 カカシは静かにサクラに口づけた。 硬直した体を包み込んで、ただただ口づけだけをした。 いつまでもそうし続けた。 やがてサクラは息を上げ、そして瞳が潤んでくる。 体は徐徐に緩み、体重を預けられるようになった。 そうしても、ただ首筋に口づけを落とすだけで それ以上触れる事はしない。 「せ、んせ」 頬が紅潮し、肩の力も抜け切っている。 「欲しくなったら言ってちょうだい。 それまで俺は何にもしないから」 サクラは少し驚いた眼をしたが、 しかしすぐに嬉しそうに笑みを漏らして カカシの首に抱きついた。 (調子狂うな・・俺が時間を掛けるだなんて) それからもカカシは飽きることなく口づけを落とし続けた。 面倒では、なかった。 不思議と。 そして思った。 (俺の生徒だから、特別なのか。それとも―) 男を惑わす、ただの色香ではなく 本気で男の心を落とす何かをこの子は持っているのか。 カカシは布団に寝かせたサクラを見下ろしながら サクラの頬を撫ぜた。 少し冷たい空気に晒された所為か、 いつもよりもずっと白く澄んだ玉の肌 翡翠色の不思議な純粋さの伝わる瞳 (どうしたもんかな・・・) なかなか欲しいと言わない教え子に だんだん欲情し始めた。 (まさか俺の方が我慢ならなくなるとはね) 「お前はホントに、凄いくノ一だよ」 「え?」 「今日は一旦止め。体冷えちゃったね、」 サクラに浴衣を差し出して、自身の服の乱れを正すカカシに サクラは不安な顔を覗かせた。 「ごめんなさい、先生・・・」 「違ーうよ」 カカシはサクラを抱き締めると、 そのまま一緒に布団の中に潜り込んだ。 「サクラがあまりにも色っぽくて 俺が優しく出来そうにないからね」 「そ、なの?」 「そ。だから今日はお休み」 暫く戸惑うサクラであったが ありがと、カカシ先生 という消え入るような声の後、 すぐさま二人は眠りについた。 朝。 丁度、朝日が昇り世界が白み始めた頃。 カカシは静かに目を覚ましていた。 ただ目を開けて、そして隣を見やる。 すうすうという寝息を立てて丸くなって眠る 教え子の姿を見て、うーん・・と唸った。 (なんだかな。) 今まで、抱く女の気持ちなんて考えた事も無かった。 でも、今は、いやこの子だけは違った。 無機質に抱きたくない、抱かれて欲しくない。 他に好きな人がいるのに、任務だから、修行だからと 大事なそれを仕方なく俺に差し出すような事はして欲しくない。 「先生・・?」 「サクラ、起きたの」 「うん、あのね先生・・・」 サクラは、何か夢を見ていたのだろうか。 まるで何かの物語の続きであるように 突然と話をし始めた。 「先生、私・・女らしくないし、がさつだし、 不器用だし・・でもね、やっぱりこんな私も乙女でね 初めては好きな人に貰って欲しいの」 「・・・俺もサクラには、嫌々抱かれて欲しくないと思った」 「うん、、だからね先生・・・先生の事、好きになってもいい?」 「・・・・え?」 カカシは見上げていた天井からサクラへと視線を移した。 「先生は、先生だし・・私は先生の生徒だから、 あまりいい事じゃないかもしれないけど、でも カカシ先生が好きになってもいいって 言ってくれたら、私・・・」 頭が冴えて来たのか、自分の言っている事の 凄さを理解し始めたのか。 サクラの頬は昨夜のように朱に染まり始めた。 「・・いいよ」 「―え?」 「俺を好きになってもいいよ」 「っ///」 カカシがあまりにも穏やかに微笑むものだから サクラは照れ隠しの為に布団の中に潜り込んだ。 「あ、ちょっとサクラ、寒い」 「〜っ///(恥ずかし過ぎる)」 布団を取られたカカシは、力ずくで布団を剥いで 中のサクラに顔を向かせ、口づけを落とす。 「ん〜っ、カ、カカシ先生のエロ魔人〜!」 「ちょ、今更恥じてるの、昨夜あんだけしといて」 「ぎゃあああ私もうどうしよぉ」 いつものサクラに戻っちゃった・・ 昨日まではしおらしかったのに・・・ 「ま、これからじょじょにね」 「う、うん・・」 「サクラが俺を好きになったら抱いてあげる」 「抱いてあげる、って・・」 「その代り、ま。俺もサクラを好きになろうかな」 「えっ!な、なれるの?私、お姉さん系じゃないけど」 「お前、俺の好みなんだと思ってんの」 「ぼんきゅっぼん」 「・・・・ん。んー」 「そうなんじゃない!」 (好きになった人いないって言っても、 信じてもらえなさそうだからね) 「せっかくなんだから、二度寝しよサクラ」 「・・・いつもしてる癖に―」 カカシとサクラの恋物語がここから始まる。 ========== 恋の始まりが色修行とか 忍びの世界にはあっても いいんじゃないか?